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『戦国自衛隊』(せんごくじえいたい、''G.I. Samurai'' )は、1979年の日本映画。アクション監督・主演:千葉真一、監督:斎藤光正、製作:角川春樹事務所、カラー・ビスタビジョンサイズ、139分。 千葉真一芸能生活20周年・ジャパンアクションクラブ (''JAC'' ) 発足10周年記念作品。1980年の第23回 ブルーリボン賞ではスタッフ賞を受賞した。 == ストーリー == 伊庭義明 三等陸尉以下、近代武器で武装した21名の陸上自衛官および海上自衛官は、演習に参加するための移動時に突然、新潟県の補給地ごと戦国時代にタイムスリップしてしまった。戸惑っている彼らに当地の武将が率いる軍に襲撃される。その後長尾平三景虎が家来と共に近づいて来た。景虎は伊庭と初めて会った瞬間に「同族じゃ」と気に入り、見慣れない服装・武器に惹かれ、伊庭たちを仲間にしたいと考える。タイムスリップした現実を容易には受け入れられない伊庭と自衛隊員たち。再び景虎と反目する軍に大量の矢で射撃され、関おさむ 二等陸士と堀健児 二等陸士ら死亡。伊庭と矢野隼人 陸士長が機関銃を乱射して敵の陣地へ乗り込むが、景虎たちが「ご助勢かたじけない」と家来を引き連れ現れ、敵対する相手の戦をしていく。彼らの戦いを目の当たりにしたことで、戦国時代へ来てしまったことを認識。現代へ戻ろうと高島春美 一等海士は爆薬を爆破させようとし、矢野はナイフで射殺。隊が落ち着かない中で徐々に自分たちが戦国時代にいることを否応なしに受け入れていく。 伊庭は景虎から「あなたは戦国時代で生きるべき人だ」と、一緒に天下を取ろうと誘われる。伊庭は戸惑いながらも戦国時代を謳歌していることに気づき、二人にはいつしか友情が芽生えていた。部下たちもそれぞれに戦国時代と向き合い、近隣の農民とその娘たちと交流。三村泰介 一等陸士はその娘と恋をし、野中学 一等陸士は婆さんに自分の祖母を思い出し、根本茂吉 二等陸士は魚を獲る少年と出会い、その家族と親しくなっていく。演習中に脱走し、駆け落ちをするつもりだった菊池弘次 一等陸士はタイムスリップしたことをいまだに信じられず、隊を離れ、婚約者の新井和子と待ち合わせをする場へ向かう。現代にいる和子は相馬野馬追を観ながら、菊池が来るのを待ち続ける。県信彦 一等陸士、木村治久 三等陸曹、小野章一郎 三等海尉らは現代に戻ろうと、原住民と交流することは歴史を変えてしまうと慎重であった。 かつて伊庭にクーデター計画を潰されたと勘違いして恨んでいる矢野は弟分の加納康治 一等陸士と、島田吾一 三等陸曹を仲間に引き入れ、小野を殺して哨戒艇・兵器を持ち出し、隊を無断で離れる。矢野らは欲望の赴くまま、周囲の村を次々と襲い略奪と強姦を繰り返す。伊庭は追跡し、戻るよう説得するが、矢野は拒んで戦えと挑発。不本意だったが、伊庭はヘリコプターにぶら下がりおとりとなって、ライフルが得意な三村に彼らを射撃させる。哨戒艇に飛び降りた伊庭は矢野が苦しまぬよう射殺。矢野らの棺桶として、哨戒艇を爆破する。 景虎と天下を取ることで歴史が変わり、現代に戻れると考えた伊庭は、天下をとるために京へ行くと部下に宣言し、隊員もこれに従う。景虎は越後から西へ進んで浅井・朝倉連合を、伊庭は南へ進んで信濃の川中島で武田信玄をそれぞれ討ち破って京で再び会おうと約束し、進発した。伊庭率いる自衛隊は川中島で武田軍と正面から激突する。当初は圧倒的な攻撃力で優位に戦を進めるが、「空を飛ぶ鉄の船(ヘリコプター)」や「地を這う鉄の馬(戦車や装甲車)」の情報を得ていた信玄は、それに対処するための戦術を駆使して奮闘する。ヘリコプターは忍び込んだ武田勝頼によって乗員を殺害されて墜落、戦車は人海戦術で動きを封じられ、装甲車は落とし穴にはまって自走不能となり、その他の車輌も全て失って、伊庭たちは戦闘能力を失くしていく。伊庭は武田軍に巻き返しを図られる前に、信玄のみを狙うことを決意。馬を奪い、乗馬しながら弓と矢を得て、武田忍軍を躱し、信玄がいる本陣へ単騎斬り込む。信玄と一騎打ちとなり、見事討ち取った。 辛くも伊庭たちは勝利を収めたものの、戦車・ヘリコプター・装甲車などを無くし、隊員も次々と戦死するなど犠牲も大きく、武器は小銃・拳銃のみしか残っていなかった。 生き残った隊員たちは補給地へ戻り、再びタイムスリップするのを待とうと伊庭へ進言。しかし伊庭は戦国の世で天下を取ることが主たる目的になっており却下したため、隊員たちと絶対的な溝が生じた。 先行して京へ入っていた景虎は足利義昭・本願寺光佐・九条義隆らから、「正体不明の伊庭を天下人と認めるわけにはいかない。そのような者と手を組む景虎も朝敵とみなす」と弾劾される。伊庭たちが近代兵器を喪失し、散々な形で荒れ寺へ避難したことを知った3人は「伊庭恐れるに足りず」と、細川藤孝へ伊庭らを抹殺するよう命令するが、景虎がその動きに待ったをかける。彼らは景虎にあることを迫っていた。景虎は苦渋の表情を見せ、ある決意を抱き、伊庭たちが休息している荒れ寺へ向かう。心強い味方の到着に伊庭は笑顔を見せるが、伊庭は景虎の手で部下共々皆殺しにされた。景虎は伊庭たちの亡骸を荒れ寺もろとも焼き払い、丁重に葬った。それを見守る景虎の目には涙が溢れていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「戦国自衛隊 (映画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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